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光について。 .55
「先生のお家?」
「そうや」永松は頷いた。「八幡山ちゅう駅や。すぐ着くで」
「少しお腹空いた」
「駅前の定食屋で、オムライスでも食べよ」
「オムライス?」
「その店な、メニューには出しとらんのやけど頼んだら作ってくれるんや。うまいで」
 美枝の表情が輝いた。がら空きの八人掛けの隅で身を寄せ合うように隣り合って座る二人以外には、車輌に乗客はいなかった。美枝は首を傾げ、永松の肩に頭を載せた。その肩を抱き寄せそうになり、止めた。だがせめて駅に着くまでは、そのままでいようと永松は思った。
 アパートの前ではもう一度、念のため様子を窺ってみた。やはり何も変わりはなかった。二人はさっさと永松の部屋に身を潜めた。永松の部屋には机と本以外は殆ど物が無く、散らかりようもない程に殺風景だった。美枝はしばらく品定めでもする世に部屋の中を見回していた。ゴミ箱脇に無造作に置かれた折込の中から一枚を拾い上げた。
「先生、こんなのに興味あるんだ?」
 そう言って彼女は意地悪い笑みを浮かべた。見遣ると、それは朝の帰宅時に捨て忘れ放ったらかしにしていた裏ビデオの広告チラシだった。
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